相続が発生すると、被相続人(故人)の権利や義務の一切を引き継ぐのが相続人です。
どんな権利や義務であっても、相続の対象とされています。
相続の在り方はケースによってさまざまで、相続人の人数や相続財産の内容によって異なります。
そのため、相続人は相続によって大きな影響を受ける地位にあるといえます。
本稿では、被相続人が連帯保証人であった場合に相続放棄はできるのかについてみていきましょう。
相続放棄とは
相続の対象となる財産は、被相続人が生前有していた全ての財産です。
それは、現金や不動産といった物理的なものに限られず、借金の返済義務や連帯保証人という地位といったものも相続の対象となり、相続人は引き継がなくてはなりません。
つまり、相続人にとってプラスとなる財産だけでなく、マイナスとなる財産についても、相続財産に含まれるということです。
しかし、あまりにも借金やローンの返済義務などのマイナス財産が多い場合、相続人に過度な負担がかかってしまいます。
そこで、相続したくない場合のために、相続放棄という制度が用意されています。
相続放棄とは、相続する権利の一切を放棄することで、はじめから相続人ではなかったこととみなされます。
相続放棄をすると、借金などのマイナス財産を引き継がずに済みますが、それと同時にプラスの財産も全て放棄することになります。
連帯保証人と相続放棄の関係について
先に述べたように、相続は、被相続人の権利と義務の一切を引き継ぐ制度です。
そのため、相続人は、マイナスの財産である連帯保証人としての地位も相続しなければなりません。
つまり、被相続人が連帯保証人であった場合に、その地位を引き継ぎたくないと考えれば、相続放棄が有効な選択肢といえるでしょう。
一方、相続人自身が連帯保証人であった場合には、相続放棄をしたからといって特に何か変わることはありません。
相続放棄はあくまでも被相続人の権利義務を引き継ぐ際の問題であって、相続人自身が元々有していた連帯保証債務を免れることはできませんので、注意が必要です。
被相続人が連帯保証人だったら相続放棄できるのか?
被相続人が連帯保証人であった場合、相続放棄することはできるのでしょうか。
なかには、債権者から無理やり引き継ぐよう圧力をかけられるなど、連帯保証人の地位は相続放棄できないのではないか?と不安に思う方もいることでしょう。
しかし、相続放棄は相続人のみが決定できることですので、相続放棄によって連帯保証人の地位を放棄することは可能です。
必要な手続きは、相続を知ってから3か月以内に行う、家庭裁判所への申述の申立てです。
相続から3か月というのは、長いようであっという間に過ぎてしまいます。
相続放棄は、権利も引き継ぐことができなくなってしまうため、慎重に決定するべきではありますが、期間を過ぎてしまわないように注意が必要です。
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