オレオレ詐欺や悪徳商法などから認知症の高齢者や知的障害者などを守る制度として、成年後見制度があります。成年後見制度とは、認知症や知的障害などのために判断能力が不十分な人を法律面で保護し、支援していく制度です。
成年後見制度には大きく分けて、法定後見制度、任意後見制度の2つがあります。法定後見制度は裁判所が後見人を決定するのに対し、任意後見制度は被後見人が自らの判断能力が不十分になる前に後見人を指名しておく点で両者は異なります。しかし、両者とも後見人の役割は同じです。後見人の役割は、財産管理や介護サービスなどの契約、遺産の分割協議など多岐にわたり、悪徳商法の被害に遭った際は契約の取り消しなどにも奔走し、被後見人の生活をサポートします。
成年後見制度の課題は、①申立てにあたって費用・時間がかかってしまうこと、②後見人が自らに与えられた権限を悪用し財産を使い込むなどの事件が起こっていること、③本人の財産が少なく後見人の報酬を支払えない場合などは後見人の成り手が少ないことなどが挙げられます。